太平洋に浮かぶ、名のない島にある古代の遺跡。第零遊撃部隊の艦に装備された兵器は、そこで得た知識を元に、Ωに所属する科学者の秘密結社「究極を探求する騎士団」が、光学兵器などの現代では考えられない未来の武器を開発した。 ここを発見したのは、「鷲」を構成する秘密結社たちであり、発掘は「龍」を構成する秘密結社たちが行った。Ωは彼らと交渉を行い、所有権を得た。実際は、Ωの構成組織で、「蛇」を構成する秘密結社たちが所有権を握っている。ちなみに第零遊撃部隊は、Ωの中で「始原」と呼ばれていた。 「これを見たまえ。何に見えるかね。」 四角の石版の上に浮かぶ、物体を指して「究極を探求する騎士団」の長がたずねる。石版の角には光の珠が埋め込まれており、不思議な色を浮かべていた。珠に守られているかのように、石版の中央に淡い物体が見える。しかし、これは・・・ 「・・・闇に浮かぶ珠が見えます。」 周りからざわめきが聞こえる。 「本当かね!?」 「はい」 「本当かね!!」 しつこい。声を荒げてもう一度口を開こうとしたときに、横から彼女が囁いた。本が見えると答えろと。 「本が見えます」 「そ、そうかね」 長は安心した口調で答える。 「では、彼に詳細な説明を行います。」 それを無視して彼女は話を進める。 「みなさん、意識を統一してここにある本の次の章を開くことを思い浮かべてください。中佐、あなたものです。 「これより、古代の魔術章典解読の儀式を始めます。明かりを。」 その声とともに照明は消され、蝋燭の火のみとなる。彼女はその中を石版に向かって進み、仰々しく呪文を唱える。 その言葉は耳に心地よく、透き通った、非常に印象が残る声であった。ドイツ語かロシア語を使用しているらしく、英仏語しかかろうじて聞き取れない私には、言ったいる意味がさっぱりだった。だが、その呪文は途中で、声が、声が変わり始め、男の耳に心地よく、強靭で雄雄しく、非常に印象に残る声に変わる。 ショックを受けたが、儀式の邪魔をしてはならないという理性がかろうじて、驚きを声に、行動に表すことを制御した。 ・・・ その声に変わってから1分ほどたったごろだろうか、石版に浮かぶ本はめくれ、そして輝きだし、空中に映像を表示する。 それは、戦艦であった。一目見ただけでわかる。摩天楼より強力であることを。その戦艦は、周りに見慣れない文字がぎっしりととりまとってあった。 |